緑内障レーザー治療
SLTとは
古くから同様の方法としてALT(アルゴンレーザー線維柱帯形成 術)という治療がありました。しかし効果が一時的である事が多く、線維柱帯の組織を破壊してしまうという欠点がありました。SLTの最大の特徴はメラニンだけを標的とし、組織破壊を伴わないという点です。水の流出の抵抗となっている色素細胞をレーザーでつぶして減らし流出量を増やし眼圧を下げる効果が見込めます。合併症のリスクも非常に少なく、副作用もまずありません。もちろん治療なのですべての人に効くということはありませんが、ALTと違い繰り返し治療が可能で非常に有効な治療法と考えております。
SLTが適している方
●点眼治療のみで十分な効果が得られていないかた
●複数の点眼治療が困難なかた
●不規則な仕事のため点眼を忘れることが多いかた
●緑内障点眼の副作用があるかた
●正常眼圧緑内障で眼圧を下げる必要があるかた
●妊娠・授乳中で点眼治療ができないかた
●原発開放隅角緑内障、高眼圧症、落屑緑内障、水晶体嚢性緑内障、色素緑内障、ステロイド緑内障、など高い効果を望めそうなかた
治療のながれ
1.術前に眼圧上昇予防のため目薬(1%アプラクロニジン)を点眼
2.麻酔のため術前に目薬(0.4%オキシブプロカイン塩酸塩)を点眼
3.コンタクトレンズを目にのせてレーザー照射(180度から360度照射)
4.照射後、眼圧予防のため目薬(1%アプラクロニジン)を点眼
5.30分~1時間後に術後眼圧上昇がないか確認
6.術当日から炎症を防ぐためステロイド目薬(0.1%フルオロメトロン)を1日4回点眼で1週間継続
※治療後すぐに通常の生活が可能です。
お伝えしておくべきこと
●色素の色や隅角の形などで効果には個人差があることがあります
●長期的には眼圧下降効果が減弱していくことが報告されており、長期的に経過観察することが大切です
●高齢者のかたは白内障の手術と同時に緑内障対策をしたほうがよいこともあるため患者様ごとに適切な対応が大切です
●通常、治療の1カ月後ぐらいから効果がでてくる場合が多いです
●治療が必要となったその日に受けられます